プール雨

幽霊について

『シンベリン』

みなさんが景気良く肩を並べて歩いていたそのころ、私は『シンベリン』をちっさなスクリーンで見ていました。この監督は以前『ハムレット』を撮り、一応やり始めたら最後までやめない傾向が強めな私をして途中で二回休憩をとらしめた強者なのです。そのとき私は「この人たちは、なにかやりたいことがあったのだろうけれど、それがいろんな事情でうまく結実しなかったのであろうな」と思うことにしました。そして本日『シンベリン』を見て、この人たちはもしかしてこういう映画を撮ろうとしてこういう映画をつくったのではあるまいかという疑いが生じました。
なんでもやるイーサン・ホークはともかく、ミラ・ジョヴォヴィッチエド・ハリスをつれてきてそれですか……! っていうのは言ってもいいような気がするなあ。
「ロミジュリ」で言うところのジュリエットに相当する子は結構良かったです。この子よくこのセリフと演出で目を真っ赤にできるなあ、すごいなあと思いながらすでに空になったコーヒーカップをダメ元で傾けたりしました。