以前は音楽雑誌やサイトをじっくり眺めて、「そうか今こういうのが流行っているんだなあ」という勘所を一応維持するよう努めていました。それを今年に入ってぴたっとやめてしまいました。そしたらポップ・ミュージックの文脈がわからなくなり、とりわけアイドルの曲にぴんと来なくなってしまって、それがちょっと寂しかったです。
言い訳を多少すると、今年は大好きなバンドや作家のリリースが相次いで、他の情報をチェックする余裕がなかったというのもあります。
こんな曲を繰り返し繰り返し聞いていました。
Belle and Sebastian - The Party Line (from the album "Girls in Peacetime Want to Dance")
www.youtube.com
Jose Gonzalez - Leaf Off / The Cave ( from the album "Vestiges and Claws")
Yo La Tengo - Friday I'm In Love (from the album "Stuff Like That There" )
というわけで、今年はこういう、ギターの気分だったようです。自分としては大分アコースティック寄りな年でした。ギターでビート感を出している感じが好きです。
音楽を始終聴いているのは雑音を聞きたくないというのがまずあるし、自然音より人工音の方に耳を傾けていたいというのがあるからだと思うのですが、今年は一見その傾向が和らいだように見えて、実はさらに深く進行したのかもしれないなあと感じています。
今年話題の新人としては Courtney Barnett を気に入ってよく聞いていました。
"sometimes i sit and think, and sometimes i just sit." というタイトルが気に入ってジャケ買いしました。ジャケ買い自体久しぶりで、それが当たりだったので、全体的にとても楽しい音楽体験となりました。ジャケ買い、そんなにいつも外れない。考えてみれば当たり前で、CD ショップの人が厳選して配列してあるものの中から選ぶのだから、そうそう外れないですよね。きちんとした酒屋でかっこいいエチケットのお酒を購入するのと同じようなもので。
CD はもっぱら CD ショップのオンラインを利用することが増えて、それがちょっと自分が音楽的に閉じてきている理由の一つかなとも思います。やっぱり自分で検索するので、どうしても元々好きなものの外に出られない。
ジャケ買いをしてはずれたことがないことからも鑑みて、やっぱり小売店というのは偉大だなと思った 2015 年でした。自分なりに情報を精査して音楽を楽しむというのは、能力的に限界があるので、雑誌でチェックということころまでは戻せないものの、来年はもっと店舗に行こうと思います。