プール雨

幽霊について

「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」とわたし

 野球部の特待生として大学に入学した主人公の、入寮から新学期開始までの人生最高に調子に乗った数日間を見て、とてもおもしろくていまだに思い出すと「ぶほわ」と吹き出したりにやにやしてしまうほどなのですが、彼と自分が高校や大学の同級生だったとして、おそらく向こうの目に入らないだろうなと思いました。
 高校生のときも、大学生のときも、卒業年度になってからちょっと仲が良くなった女の子がいて、お互いに、ああ、もっと前に知り合えていたらな〜なんて話を少ししたのですが、その子達が口をそろえて私に言ったのです。
 「雨ちゃん、(1 年とか 2 年の時)どこにいた……?」
 どこにも何も私ずっとここにいたよ〜! と笑いました。運動部できらきらとした生活を送る(そのように私には見えた)彼女たちからすれば、私は穴蔵にもぐっているも同然で、発見に時間がかかったということなのでしょう。
 だからジェイクやビバリーのことは、こっちの目には入っても、向こうには入らないだろうなと思うし、それもそれなりにおもしろいものなのです。