プール雨

幽霊について

一カ月かけて 2019 年上半期を振り返る (1) 映画館で見た映画

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さいきんはまっているおやつ

あれやこれやと感想文を書きたかったのに気づけばもう 7 月です。下半期は心を入れ替えて一回一回書くことにして、上半期見た映画+おすすめポイントでケリをつけたいと思います。

  1. 01/09(水)『迫り来る嵐』……芯から寒くなります。主人公は一度認められて、そっちから光が射しているような気がしてしまって、ただそこに向かってまっすぐ歩いていたつもりだったのに、光が、と思いきや雪で、呆然としていると嵐が来るという話。
  2. 01/19(土)『ミスター・ガラス』……「物語をめちゃくちゃにする者、こと、構造に対する怒り」みたいなもので溢れています。2019 年コーヒー映像大賞。
  3. 01/26(土)西遊記 女人国の戦い』……悟空の存在を時折忘れてしまいましたが、豪快でロマンティックなお話でした。いろいろびっくりしながら生きてきたのに、まだびっくりさせられるのかと、びっくりしました。
  4. 01/26(土)『王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン』……かなりしっかりおもしろかったです。見た目のおもしろさとお話のおもしろさがかみ合っている感じがしました。
  5. 01/31(木)アイスマン 宇宙最速の戦士』……前作のような不思議なおもしろさがないかわりに、ドニー・イェンが語りつくす。ドニー・イェンに説諭される時間。不思議な体験でした。
  6. 02/08(金)パルプ・フィクション【極爆】……ミアとヴィンセントで何の話をするかということが問題で、それがこれ以上ないかたちで決着したり、ジュールスの話に思いがけない聞き手が登場することで「お話」として成就してしまったり、それでいてブッチは彼を祝い、縛り、支え、苦しめてきたその長い話をおそらくまだだれにも聞かせてはおらず、それはまた別の話になるという、だれがだれにどんな話をするかということをめぐるドラマを含みながら、この映画がラストにあの場面を持ってくるというのがいい。永世コーヒー映像大賞。
  7. 02/13(水)『ちいさな独裁者』……人間が機械や装置の一部になるこわさがじわじわと展開してひたすらこわい。笑うことを強要するシーンを見ると、言語や文化がちがっても、人間が人を支配するときの行動って基本的に同じなんだなって思いました。
  8. 02/13(水)ライ麦畑の反逆児』……脱アイドル、脱神話化されるサリンジャーという感じでとてもよかったです。痛切な分、身近で。
  9. 03/02(土)『THE GUILTY ギルティ』……基本的にアスガーと通報の音声とモニターだけですすむので、近すぎる視点から見るとき特有の見えなさに緊張しました。
  10. 03/03(日)「午前十時の映画祭」で狼たちの午後……なにか、思いがけなく武器が手に入るといったきっかけが先にあって、こんなにずるずると進んでしまっただけの計画ですら、一度動き出すと止められなくて、ひたすら悲しかったです。
  11. 03/04(月)女王陛下のお気に入り……ルールのわからないスポーツを途中から見せられている感じ、へんてこな音楽、へんてこな踊り、でもわけがわかる。いちばん切なかったのは女王が親友を追放してしまったあと、その部屋が汚くなってしまったこと。
  12. 03/04(月)『ビール・ストリートの恋人たち』……"If Beale Street Could Talk" という原題を口の中でころがしてみて、「それでも裁判所は黙殺するのでは」という気すらする現状を考えると、この邦題にたどりついた理路が想像できて、それも辛い。でも、愛し合う人たちが好きなんだ、愛し合う人たちを支えたいんだよという台詞が出てくる。気は弱そうだけど優しさが分厚い大家さんや、レイシストコップに決然と立ち向かうお店のマダム、苦痛に顔をゆがめるティッシュの背中をあわててさすってくれる上司、それに何と言ってもティッシュの家族。自由がないようでいて、本質的に自由な人々の姿が我慢強く描かれます。
  13. 03/10(日)『運び屋』……捜査側にも麻薬カルテル側にもそしてアールの側にもちょっとした許しがあって、それが「かわった映画だなあ」という印象につながっていると思う。対立軸なんていうものがない、かといってシニカルでもない、悲しさも暖かさも淡々とおかれていく物語り方がとてもよかったです。
  14. 03/20(水)『イップ・マン外伝 マスターZ』……理想と希望と夢がぐちゃぐちゃに詰まった、居住性抜群の屋上。そこでの二人のアクションがきれいだった。
  15. 04/17(水)『魂のゆくえ』……カメラ自体がせわしなく動く映画を見ることが多いせいか、一度決まったらじっと動かない画面が新鮮でした。頭が椅子に押さえつけられているような感じを味わいました。その、動けない視界のなかであたふたするイーサン・ホークをじっと見てました。
  16. 04/24(水)『ねじれた家』……原作より複雑になっていた部分があって、そこが好きでした。
  17. 04/25(木)キャプテン・マーベル……猫ちゃんが宇宙で最強。
  18. 05/11(土)アベンジャーズ エンドゲーム』……物語というものの、あきらめの悪さを味わえました。
  19. 05/18(土)アベンジャーズ エンドゲーム』【極爆】……二回目はいい音で。三者三様のヒーローからの「降り方」を見てしみじみ、はらはら。トニー・スタークがそうであるように、私たちみんな、この世界への贈り物なんだという気持ちにすらなれました。
  20. 06/01(土)『アナと世界の終わり』……ショートの子がすごくよかった。結構ちょこちょこ意外な展開をするのが好きです。とくに「俺のことはいいから行ってくれ!」の顛末なんか、おもしろかったなあ。
  21. 06/01(土)アメリカン・アニマルズ』……おもしろかった。パンフに本人達のインタビューが載っていて、みんな、刑務所に入って人生最高のときを過ごせたと言っているのがほんと、うわあ、そうなのか、まじか、うわあ、と印象に残りました。自分は周りの人を煽っていないか、せかしていないか、不安になりました。
  22. 06/03(月)『神と共に 第一章:罪と罰……これもあきらめの悪いチームが、ストイックに、創造的に、そして楽しんでつくった感じがして、ほんと楽しかった。
  23. 06/19(水)『ザ・クロッシング Part-Ⅰ』……え、どうした? っていうくらい、ぶわ〜と厚みをもったおもしろさがありました。問題は雅子の着物とポーズ…
  24. 06/19(水)『ザ・クロッシング Part-Ⅱ』……これやっぱり、三時間でいいから一本にしてたら大ヒットしたんじゃないかなあ。戦争映画としてちゃんと新しいし、生き抜こうとする人と生きられない人の対比は鮮やかだけど後者のことを貶めているわけではないし。上品で素敵でハードボイルドでした。
  25. 06/28(金)『神と共に 第二章:因と縁』……1000 年前の、主人公が冥界の使者ではなく人間だったころの映像が始まった瞬間、神の視線を体験。閻魔視点で見ようと思って最後列の席を予約したのが功を奏しました。