プール雨

幽霊について

このデスロードを振り返って

 今年の手帳を振り返ったら、三月、六月、八月は休みがありませんでした。そしてこの九月、十月もちょっぴり忙しかったです。

 それほど儲からない仕事なので、あまりに忙しいと「これはちょっとな」という気持ちがたまっていきます。

 特に、今年のデスロードはことさらきつく、デスロードを抜けてみた今、体調的にも限界であったことが自覚されます。肩と腹が痛いです。

 なぜこのようなデスデスしいロードになってしまったのか。振り返ってみると、以下の現象についてどうしても愚痴を言いたい気持ちになります。

  • プロジェクト自体が思いつき。
  • 思いついた人=リーダーが専門家でない。
  • チームに専門家がまったくいないわけではないが、専門家がいるべきポジションになぜか素人がいる。

 私は俗に言う「出入りの業者」つまりフリーランスですので、会社内人事のことはわかりません。わかりませんので、プロジェクトが相当程度進んでから、「作業の全容を把握しているべき人が把握していない感じがするな」とか「依頼者が、自分の言っていることをわかっていない感じがするな」とか気付きはじめました(ある作業を「どうしても必要だからやってくれ」と言われしぶしぶ始めたところ、途中で相手が「これ、相当大変ですね……」とびびりだしたということもありました)。その時点ではもう乗りかかった船(筏)は大海原のど真ん中で、とにかくこぎ続けないことにはどうにもならない事態に発展していたのです。

 私はこのロードの真ん中辺で、仕事相手に向かって「それを知っていたらこの仕事は引き受けませんでした」と激白しました。降ろしてもらえるなら降ろしてほしかったですが、なんせ大海原でしたので、生まれて初めて「文句を言いながら漕ぐ」という挙に出ました。

 何度も飲み込んだ悪口は、「あなたは、東京オリンピック実行委員会海外メディア窓口ですか」というものです。疑問文で話しかけたら、それ相応の形式に則ってお返事してほしかったです。疑問文を放置する人のことはどうしても許せません。世間話とか、時候の挨拶とかいらないから、「この仕事は、納期はいつですか」と質問したら、それくらいすぐお返事してほしかった。

 というわけで、昨今、意外なポジションにド素人あるいは AI を置いて、新しい風を吹かすのがはやっているようですが、専門家じゃないとできないことがあるわけなのでして、専門家がいるべきポジションには専門家を招いてください。図書館司書とか、飜訳・通訳関係とか、医療介護関係、教育関係……言い出すとキリがないのですが、三顧の礼でナ。

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解放された目で見るコスモスはこのうえなく美しかったです

📚 おしまい📚