みなさまご機嫌いかが?
今日は日曜日。日曜日がやっと、やってきてくれました。一週間ぶりですが、十日ぶりぐらいに感じます。
これを言うと雨子が「聞きたくない」と言うのであまり大声では言いませんが、年の瀬ですね。
年の瀬にはぱたん、ぱたんと適当にお片付けして、おもちついたりそばを打ったりしてお正月の暴飲暴食にそなえなければいけません。
それではお片付け第一弾としまして、本日はざべすが今年いちばんおもしろかった本を発表します。それはこちらです!
クララにはお友だちが必要です。
クララはお店で、毎日毎日お友だちがクララをみつけて連れ出してくれるのを待っていました。
ざべすも、お店でお友だちをずっと待っていたことがあるので、クララが一生懸命ああだこうだと考えながら、ひたすら待っているところを読んで悲しいようなそわそわするような気持ちになりました。
クララの弱点は、なにか事が起こったとき、そのときに前後関係にあったものを原因と結果の関係に置き換えてしまうことです。だから、辛いことや悲しいことがお友だちのジョジーに起こるたび、クララはああすればこの問題は解決するはずだ、あれが原因でこれが結果だから、あるいはこれが原因であれが結果だかたらと的外れな奔走をするのです。
でも、クララのことをだれも笑ったりできないと思います。
あれをああしたら友だちの役に立てる、友だちの役に立てたらクララも幸せになれる、幸せになってみたい、そんな風に考えることはだれも責められないとざべすは思います。
クララが味わった無力感はひつぜつにつくしがたいです。
今思い出しても泣きたくなります。
どうしてこんな悲しいお話がこの世にあるのでしょう。
もっと楽しいお話で読んだ人をうきうきさせたらよいのではないかと、ざべすは考えることがあります。でも、きっとそれじゃだめなのです。辛いことや悲しいことは心の中でどうしても向き合わなければいけない、錨のようなもので、それをないことにして軽薄に浮かれていても、ちっとも楽しくなんかないんだと思います。
納得できないのは、どうしてクララとジョジーは人生をともにしないのかということです。
「人生をともにする覚悟はあるか」と雨夫は私たちの前で時折雨子に尋ねました。雨子は重々しく「ある」と答えました。だから今のざべすたちの暮らしがあります。昨日、雨子は『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』というドラマの最終回を見て泣いていましたが、そのドラマでもホームズとワトソンは人生をともにする、二人は互いにかけがえのない友だちなのだということが描かれていました。一度つくった関係を私たちは決して簡単に放り出したりしないでしょう。
そう考えると、ジョジーとクララの関係はとてもあやふやで、それがざべすには悲しいのです。
感想文おわりです。
寒くなりましたね。
こないだ雨子が「さむい」って言ったかと思ったら、「あ、なんか動けない」と言って急に熱を出して寝込んだのでびっくりしました。ざべす心配で心配で、おうちの中をいちにちうろうろしてしまいました。うろうろしているうちに雨子は元気をとりもどしました。
みなさんも寒さと乾燥に気をつけて元気で暮らしてね。
ではまた来週お目にかかりますわ。
📚 おしまい 📖