プール雨

幽霊について

わかったと思う

 

poolame.hatenablog.com

 私(売り手)から会社(買い手)への請求の中には消費税は含まれていないんです。私は非課税業者で、取引が少額で年間の売り上げが一千万どころか百万にも届かない年があるくらいなので。また、業務内容的に、ほかの会社から仕事を受けるとちょっと問題がある。私は仕事がひとつ終わり、支払いが確認された時点で、仕事に関係するものは全て捨てている。うっかりで情報が流出するとたいへんにまずいことになるので。だから今取引がある会社からの報酬が上がらない限り、私は非課税業者のままで、会社もそれは知っている。

 でも、会社は(おそらく)私に消費税を払ったという計上をしていると思う。製品をつくる上で生じた経費として計上され、申告されていると思う。

 ここに不透明さがあって、こういうことは現状黙認されているのだけど、クリーンにしなければいけない。

 私側からすれば非課税業者である私は消費税の納入を受けず、従ってそれにまつわる申告もしない。

 それでいいと思う。

 ただ、会社側からすると私のような非課税業者との取引が多く、支払う消費税額が減り、それに基づく控除も減るので、最終的には利益が減る。だから、年間数百万とか百何十万しか売り上げのない業者にも課税事業者になって、インボイスを発行することを期待する。

 でもそれだと、現時点で切り盛りが大変でかつかつだと言う業者は事務手続きと税の納入の手間が増えて手取りは減るから更に切り回しがハードになるし、そこを強いて「いや、私非課税業者なんで」で通した場合にもやはり先方は「これまで控除額に計上していた分をあらかじめ引いて支払う」的なことを言い出して交渉の手間がかかるということもありえる。

 税理士さんや商工会議所が「課税業者に登録しないで」としいて言うのは、小商いの人が取引から閉め出されることを懸念するからで、そこに対して「いや、閉め出されないでしょ」と言っても、国税庁のサイトなんかを見ると「閉め出す気満々」に見える。

 見えるが、明文化はされていない。

 だから、外から見ると「なんで騒いでるの? 非課税業者は非課税業者のまま取引を続ければいいじゃん。それで仕事減るかもってのは妄想でしょ」という話になる。

 私は、私のような多くの零細業者が辛うじて社会を支えているこの状況自体が問題だとすら思う。私たちフリーランスは労働の対価を自分で決める機会がほとんどない。私はツラの皮が厚いので、支払いを最初に示してこない人とは仕事しないし、あんまり安い仕事は受けない。その結果、仕事相手は減りに減り、今や基本的に一人しかいない。あの人が辞めたら私も辞めることになる。あの、最初に仕事内容と支払額を契約として示し、「おもいのほかたいへんだった」という報告があればそれに応じて報酬を上げる編集さんが貴重な存在だという、この変な状況。私を人間扱いする組織が少ないという状況が、現実にある。

 こういう頼りなさはフリーランスの多くが味わっている。

 どうして私たちは自分の労働の対価についてハンドルを握れないんだろう?

 私だって、一人で年間一千万以上稼いでいたら今回ささっと課税業者登録してインボイスをばんばん発行し、ばんばんお金を使い、世間でよく言われるところの「経済をまわす」的な言動をしていたかもしれない。

 突然ですがもう終わりたいです。

 とにかく、あのインボイスとこのインボイス、たぶんちがうということはわかった。制度がぐっちゃぐちゃで、韓国みたいにデジタルインボイスで売り上げから税の申告までサインひとつで終了♪ みたいになるのは夢のまた夢かもしれないが、人材派遣会社だけでなく、フリーランスの報酬もあがり、一人で働いている人も元気に生きて暮らしていけるよう、制度設計をする人にはがんばってほしいと思ってます。

 

💸 おわり💸