プール雨

幽霊について

ざべすごのみ

 みずからのあるじであるみなさま、おはようございます。

ざべすよ!

よいしょ

 なんと一週間ぶりの日曜日到来です。

 ざべすもこの日が待ち遠しかったです。朝、みんなでおねぼうするのは楽しいです。

 ところでみなさまは「ざべすごのみ」というジャンルをご存じ? 「織部好み」とか「お万好み」があるように、「ざべす好み」もあります。

 城の近隣で咲いている花で言うと、これが「雨夫ごのみ」で、

ドウダンツツジ

これが「雨子ごのみ」、

一重咲きの白いバラ

これが「ざべす好み」ですわ!

カップ咲きの黄色いバラ

 ざべすは何でもゴージャスなものが好きです。

 たとえば旧李王家東京邸ですとか、

ざべすには洋館が似合うの

小笠原伯爵邸ですとか。

あの椅子にざべすが座ったの

 こういう空間にいるととってもわくわくとして、楽しい気持ちになります。

 だから雨子たちはときどき、ざべすを古い洋館につれていってくれます。そんなときは、何も言われなくても「ざべすのために来たのだな」と思います。

 ざべすは古くからある喫茶店やレストランも好きです。

 去年つれていったもらった、羽村の「樹樹」という喫茶店はお城みたいでした。

ここではだれもがすてきになってしまうの

またここに座りたいです

 昔は、ざべすの城のそばにもお城が一軒あったのです。

お城だったの

 「くすの樹」という喫茶店で、ざべすはよくここでアイリッシュコーヒーとカツサンドをいただいたものです。アイリッシュコーヒーは、席でお店の人がぼうっと火をともしてくれて、そのアルコールから立ちのぼるほのおを見るのが大好きでした。

 シャトーと呼ばれる、離れのような空間もあったのです。

シャトーです

 このシャトーのうちがわでいろんなことがありました。

 閉店したときは悲しかったです。

 閉店して、取り壊しになって、跡地にチェーン店が建ったとき、ざべすはチェーン店は嫌いじゃないのですけれど、あのときばかりは悲しく思いました。立派なお城、まだまだ使えるお城が取り壊されて、その後にもろそうな建物が建っているのはさみしいものでした。

 この「くすの樹」のようなお城が、よそにあると聞いておでかけしました。清瀬というきれいな名前の街です。

 電車に乗って、バスに乗って、お城に行くんだなと思ったらとてもわくわくしました。

 でも、実際そのお城を見たときのほんとうのわくわくは想像以上でした。

お城です!

うわあ

 中も、とってもゴージャスです。

ドラマチックです

窓を見るだけでもうきうきします

 雨子は「ざべすがこういうの、好きだから」といって、ロシアンコーヒーを頼んでくれました。

こういうのです!

 スプーンの上にブランデーに浸したお砂糖があって、そこに火をつけるのです。

マッチです

ロシアンコーヒー専用スプーンです

 フレンチトーストの上にはベーコンがのっていて、それもざべすごのみでした。

なにもかもざべすごのみなの

 ざべすはうんとうれしくなって、どきどきしながらコーヒーをいただきました。あまくて、にがくて、おいしかったです。

歓迎されたの

街中の人を歓迎しているの

 こんなお城が街にひとつあったら、みんなとってもうれしいだろうなと思います。清瀬のみなさんがうらやましいです。幸あれ。

ビルの階段に住みついている鳥さん

 みなさんの街にはどんなお城がありますか?

 ざべすはそこにも行ってみたいです。

 では、また来週お目にかかりますわ。

 元気でね。

🏰 ちぇりおですの 🏰