おはようございます。
ざべすは映画館に行くのが好きです。映画館の人も好きだし、映画を見に来ている人も好きです。今は、ある好きな映画館が閉館になってしまうことを知って、残念だと思っています。それは新所沢のレッツシネパークです。
これが最後になるのかなあと思いながら、「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を見に行ってきました。
うんと怖かったです。
日中戦争そして太平洋戦争と、「大日本帝国」が大変なことをしてしまってから十年、結局貧しい人は貧しいまま、支配階層の人はそこに居座ったまま、どんどん枯れていく人びとの命を吸って、肥え太ろうとしていました。
主人公水木は生き残るためになんだってしてやる、のし上がってやるという気持ちでトンネルの向こうのその村へたどりつきました。
おっきな湖と島が望めるそのきれいな村は、戦争で大もうけしたうさんくさいお金持ちに支配されている村で、水木がトンネルのこっち側に来ただけで「よそ者が入り込んだ」という噂が伝達されるのでした。
戦争で大もうけした会社は、戦後も戦争を続けて大もうけしようとしてました。今度は経済戦争です。寝ずに働く企業戦士をつくるのだそうです。
残酷で悲惨で、身も蓋もないお話でした。
間違いなく、残酷で悲惨な現実から生まれた映画だなあと思いました。
特に許せないのは、まだ小さな女の子と男の子がただただ犠牲になって、自分はだれにもかえりみられていない、単にじじいの野望の部品にすぎないって思っていて、それがほんとにだれにも受けとめてもらえないことです。
全然誰にも何にも受けとめてもらえないってことはないのですけど、受けとめようとした人物の無力さもあわれで、そこでなんとかならないのかってざべすはうなりました。
ざべすは許せないと思いました。
あの子、みんなぶっころして、じぶんたちだけ助かっちゃえばいいのにと思いました。
ほんとにほんとにいやだ、いやだ、いやだ!!
と思っていたら終わりました。
いまが 1950 年代初頭ならいいのですけど、いまは 2024 年で、戦争でもうけた人たちの子孫が人を人とも思わない言動をしていて、まわりをぐるりと支持者がとりかこんで、そのひとたちの犯罪や悪行は問題にされないのに、困ってる人、貧しい人のちょっとした勘違いやミスは追及されつづける、そんななかで見ると、ざべすは「こんなんじゃいやだ!!」って思いました。
灯りがつくと雨子は言いました。
「墓場鬼太郎が見たい。あと、今、横溝正史ものを見るとすごくうまく見られるかもしれない。帰ろう。帰って映画見よう」
ざべすは慌てました。せっかくおでかけしたのにすぐ帰られてはかないませんから、「この映画館はもうすぐなくなってしまうのよ。すこしゆっくりとそのことをかみしめましょうよ」と言って、雨子にカメラを持たせました。
こんなにがんばって映画を盛り上げているのに、もうすぐなくなってしまうなんて、と思うとざべすは急速にしょんぼりしてしまいました。
このコーナーとか、どうなってしまうのかしら?
一番気になったのは椅子です。この映画館は「椅子がいい」で有名な映画館で、雨子は「東北新幹線レベル」と評価しているのです。
この椅子、どうなっちゃうのかしら。
系列の映画館で引き取らないのかしら。気になります。
そんな風にきょろきょろしみじみしているうちに雨子も落ち着いてきて、まだ昼だけど、「いっぱい飲もう」という気持ちになりました。
映画見てごはん食べて楽しかったけど、なんだか寂しい気持ちのする一日でした。
こちらは寒い週末を迎えています。あったかくして、のど飴なめて、体を大事にして、みんなでこの冬を乗り越えたいと思います。
じゃあ、またら来週、お目にかかりますわ。
みなさん、ほんとに、あったかくしていてね。
🎦 ちぇりおですわ 🎥