プール雨

幽霊について

真夏の中華街とガンダムとざべす

 あるじのいない夢を探す旅人のみなさん、おはようございます!

ぬいぐるみの写真。くまがノートパソコンに向かっている。

執筆中のざべすよ!

 「あるじのいない夢を探す旅人」は Red Velvet さんの "Cosmic" という曲から引用しました。雨子が季節感を無視して秋も冬も春も梅雨も聞いてきた曲です。今は時節柄ぴったりなので、ざべすも大きな声で大好きだといえます。

youtu.be

 1859 年に横浜が開港して、中華街形成のきっかけとなったもののひとつに言葉の問題があったと聞いたことがあります。横浜で、イギリスやフランスから来た商売人のみなさんは日本語がわからず、日本の人は西洋の言葉も商慣行もわからない。そのなかだちをしたのが、香港や広東、上海の商館で働き、英語が話せた中国の方々だったとか。そうした方々は英語がわかるうえに、日本人とは筆談で意思の疎通がはかれたので、開港したばかりのこの港町で欠かせない役割を演じたのだそうです。

 その後、居留地撤廃や関東大震災日中戦争など、大変な苦難とともに中華街のみなさんはあゆんでこられたのですね。

migrants.jp

 先日、その中華街のお茶会に招待されたので、行ってきました。お店が開く少し前に行って、ショーウィンドウを見ながら今日は何をいただこうかというお話をするのも楽しかったです。

横浜、中華街のパティスリー状元樓の店頭写真
横浜、中華街のパティスリー状元樓のショーウィンドウ写真
わくわくの店頭です

 カフェはここの二階です。

パティシエール状元樓の階段を撮った写真

慎重に上りました

 コンパクトにまとまっていますが、ぎゅうぎゅうにすてきなもので溢れていて、広く感じました。

パティシエール状元樓の店内写真

夢のようです

 ざべすたちは奥の区切られた席に座りました。

パティシエール状元樓の写真

ひみつの小部屋です!

 おとなりはこんな席です。

パティシエール状元樓の店内写真。二人席。

こちらもすてきです

 前々から、「ここに行ったら、きっと、このセットにしよう」と決めていた上海アソートがテーブルに届きました。

パティシエール状元樓、上海アソートの写真。トレイに半円の持ち手がついていて、中に天心やお菓子がつまっている。

鳥かごみたいでかわいいです

 この姿を見てみんな、だいこうふんです。

パティシエール状元樓の上海アソートひとりぶんの写真。紅茶のポット付き。

お茶も届きました

 このすてきなセットをゆっくりいただきながら、みんなで『機動戦士ガンダム』の話をしました。ざべすと雨子はこのとき、初めて『機動戦士ガンダム』を見ていたところで、雨子のお友達のお二方は最新の『ジークアクス』を見終えたところでした。条件はばらばらなのですけど、みんなで夢中になってアムロやシャアの話をしました。

 ざべすはセイラさんが好きです。出撃のとき、「くさくさしてるから暴れてくるわ」と言ったり、戦闘が終わると「もうおわり? あっけないものね」と言ったりするところが好きです。アムロとセイラさんとカイがどことなく気があっている様子なのも、ざべすは好きです。職場のなかよしってこんな感じなのかなという気がするからです。シャアは苦手です。何を言っているかわからないからです。そのシャアのことを雨子は「わるい意味できまっている」と言っていました。よく意味がわからないのですが、お二方は同意されておいででした。

パティシエール状元樓店内の写真。古いミシンや扇風機が置いてある。

また来るわね

 いつもだったらここで、中華街のお散歩としゃれこむのですけど、なんといっても暑い季節の暑い日でしたので、ざべすたちは足早に次のお店に行きました。一刻もはやく涼しいところに行かねばなりません。目指したのはカフェ・ドゥ・ラ・プレスです。

横浜、カフェ・ドゥ・ラ・プレスの入り口写真

じゃじゃん

 涼しくて、天井の高いお部屋の奥の方に腰掛けて、わたしたちは思い思いのものをオーダーしました。といっても、あまりにコーヒーのパフェがおいしそうだったので、みんなしてそれを頼むことにしました。

コーヒーのパフェを撮った写真

すっごくおいしかったの

 と、思いきや、雨子は「つめたくて黒い汁」が大好きなので、ニトロドラフトコーヒーというものを頼んでいました。

カフェ・ド・ラ・プレスのニトロドラフトコーヒー

まっくろです

 ひとくち、のんで「にが!」

 もうひとくちのんで「おいしい!」

 さらにもうひとくちのんで「あまい!」

 と、雨子は興奮しました。そして告白しました。

 「久しぶりにコーヒーが効いてしまいました」と。

 わかりやすく言うと、「(なにかが)きまった」ということです。ざべすはそういう風になったことがわからないので、ぴんと来ないのですけど、ほかの言葉に言い換えると、「すごく元気になった」のだそうです。コーヒーに酔っ払ったということのようです。もともと元気だったのにさらに元気になった雨子は、「リリー・フランキーは憎いが、『ハルビン』で伊藤博文役をやったとことだけは未来永劫評価する」と言い、なのにそのあとずっとリリー・フランキーさんという人の悪口を言っていました。不思議なことだと思いました。

 そして、ずっと三人でけらけらと笑っていました。

 この日、お三方が交わした会話でもっとも不思議だったのは「もしシャアになったらどうしよう」「着替える」「私服をいっぱい買う」というものでした。

 不思議だけど、安心してなんでも話せて安心して笑っていられるのはうんと楽しいことだなあと思いました。

 またつれていってね。

パンの写真。見た目がスイカのかたち、色をしているけど、メロンパン。

その日の夜、家で食べた、スイカの見た目をしたメロンパン

 いま、安心じゃない方々のことを思います。ざべすは選挙権がないのですけど、雨子の背中を押して、投票所に行ってもらい、ざべすの「みんなに安心して暮らしてほしい」という気持ちを伝えました。雨子はその思いを投票を通じて表現してくれたようです。

 ありがとうなの。

 みなさん、今日は日曜日ですね。お休みできていますか? そうじゃない人はきっと、明日か明後日、ちゃんと休んでくださいね。

 ではまた来週、お目にかかります。

🍉 ちぇりおですわ 🌈