ざべすよ!
ざべす、新幹線に乗って、愛知県豊橋市というところに行ってきました。
豊橋からまたちょっと電車を乗り継いで、蒲郡という、眺めのよい場所に参りました。
まずは海辺の文学記念館です。
入場無料で、蒲郡を舞台にしたいろんな作品が読めます。
このすぐそばから橋が竹島という無人島にかかっています。藤原俊成さんが勧請したという八百富神社があるそうなので、行ってみます。
ざべす、橋のたもとのこのひと、見た目がちょっとこわいと思いました。
なにを考えているのかしら? ざべす、わかりません。
島の中は神社を中心にしてぐるっと回れるようになっています。この日の三河湾は鏡面のようにきれいでした。
そして、この日のお楽しみ、竹島水族館です!
ざべす、お魚大好きです。
食べられないのですが、見るだけでも楽しいです。海の中は変な生き物がいっぱいです。時折、ほんとはいけないのにペットとして飼われて、捨てられて保護された生き物などがいました。生き物を飼うときは責任をもちましょう! と注意書きがあって、ほんとにその通りだと思いました。
働く人間のみなさんのことも説明されていました。お昼ごはんはあわただしいようです。ゆっくり食べてほしいなと思います。
サメや蟹、ダンゴムシのおおきいのみたいなのにさわれるスペースもありました。ここから取って食べるのはいけないそうです。さわるだけ。ざべす、そうっとさわりました。雨子はサメをなでていました。感想を聞くと「鮫肌だったよ」とのことでした。
お魚の生態をじっくり勉強したあとは、蒲郡クラシックホテルというところにお食事に行きました。ざべすこの時点では蟹を食べたいような気がしていました。
お酒、もちろんいただきました。しゅわしゅわしておいしかったです。
スープのお皿には、窓から見える景色と同じ絵が描かれていました。なんてすてきなことでしょう。ざべすびっくりしました。そしてゆっくりとスープをいただきました。
さっきは蟹を食べたいような気がしていましたが、実際に目の前にごちそうがあらわれると、うわあ、となって忘れてしまいました。いちじくのソースでエビを食べました。池波正太郎さんが愛したとうわさのカツレツもいただきました。ざべす、肉が好きなので、夢中になって食べました。とってもおいしかったです。
午後は愛知大学に見学に行きました。記念館がとってもきれいな建物でした。
前身は上海にあった東亜同文書院で、敗戦で引き上げてくる際、廃棄されそうになった学籍簿や卒業証明を当時の学長さんがなんとしても持って帰ると主張して、たいへんな苦労の末持ち帰ったのだそうです。ざべすは、以前、戦争が終わったあと、一般市民のみなさんが就職や戦後補償など様々なことで大変な目に遭ったということを本で読んでいたので、「立派なことだなあ」と思いました。この記念館に入るときに、在校生らしい方がそのことを解説してくださって、とても誇らしく感じておられるようで、もしざべすもここに通っていたら、そんな風に思うだろうなとじっくり想像しました。
ここでは、中日大辞典という本が編纂されていたそうで、そのときの資料も展示されていました。
この大学は、門を出てすぐのところに電車のホームがあるので、とても便利です。
そしていよいよ、拠点である豊橋に戻りまして、いきなり団子を食べました。みたらし団子です。みたらし団子は豊橋市民のソウルフードだそうです。これが、ふわっとかるくて、あまり甘くない、かといって辛くもない、初めてのおいしさだったのです。
ふらりと入った喫茶店のケーキも、なんだか食べたことのないおいしさでした。雨子たちは「糸魚川静岡構造線をこえると、味がちがうね、なんとなくおいしいね」と言っていました。
本格的な散策は明くる日にすることにして、このときは、無目的にだらだらと歩いてみました。静かで住みやすそうな感じがしました。
晩ごはんは、雨子が「どうしても食べたい」と何日も前から主張していたあんかけスパゲッティーです。鉄板の上で独特なソースがじゅうじゅう言っていて、麵も見たことがない感じに飾り付けられていて、あちち、あちち、と大騒ぎしながら平らげました。
外に出ると日が暮れていて、豊橋は風景が一変していました。お酒を飲めるお店が開店して、たいへんな賑わいで、昼間と同じ町には見えませんでした。みんな、さっきまでどこにいたのかしら? っていうくらい、人、人、人、酒、酒、酒です。ざべすたちは「ほわわわわわ」となって、ちくわやケーキ、お酒などを買い込んでビジネスホテルに帰って、お風呂入ってお酒飲んで本読んで寝ました。
豊橋、謎の深そうな町、と思いながら寝ました。