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幽霊について

高畑版『赤毛のアン』第 38 章「受験番号は 13 番」、第 39 章「合格発表」

 今週の『赤毛のアン』は第 38 章「受験番号は 13 番」、第 39 章「合格発表」でした。
 いよいよクイーン学院の入試に向けて、ステイシー先生最後の授業、入試、合格発表までのどたばた、そして合格発表ともりだくさんでした。印象的だったのはやはりステイシー先生の愛と体力でしょうか。最後の授業ではひとりひとりに手紙を書き、あなたの好きなことをやめないでと語りかけました。入試では馬車を出し女の子たちを送り迎えし、付き添い、ルビーやムーディーがしょげているとみんなにアイスをごちそうしてあげるのでした。アイスを食べているみんなはとてもうれしそうで、きっと一生の思い出になったと思います。
 原作ではこの二章は一章分で、第 32 章「合格発表」にあたります。基本的に原作に忠実ですが、ステイシー先生がひとりひとりに好きなことを続けなさい、夢をもって楽しんで生きていってというメッセージを送ったことや、試験前に体操をさせたり、アイスをごちそうしたりしたことなどははっきりと描かれていません。でも、きっとそうしたんだろうという感じがします。具体的なエピソードが増えてはいますが、すべて原作から想像できることです。

 そんななかでもちょっとおもしろかったのは、第 39 章でマリラがアンにマシュウへのお手伝いを許可し、思いっきり農作業をさせてやるくだりです。そのおかげでアンは合格発表のことを一時忘れて、着替えもできずにばたんと倒れてぐっすり眠りました。そのアンにうわがけをかけてやるマリラはとっても愛おしそうで、久しぶりに「小さなアン」がもどってきたようでした。同じベッドに、合格発表の速報を手にしたダイアナがはあはあと息をはずませながら倒れ込んだのもおもしろかったです。この、ダイアナが手にしていたのが「速報(ダイアナのお父さんがブライトリヴァー駅で入手したもので、アボンリーの郵便局に届くのは明日)」だということはアニメでははっきりと経緯が描かれていないものの、アンたちがみんなに知らせてくると駆け出し、なぜかリンド夫人まで「村中に知らせなくちゃ」といそいそでかけていくエピソードからわかります。