プール雨

幽霊について

高畑版『赤毛のアン』第 43 章「週末の休暇」

 『赤毛のアン』第 43 章「週末の休暇」を拝見しました。原作の第 35 章「クィーン学院の冬」の最初の方に当たります。多分。「多分」というのは、「まずアニメを見て、その後原作の該当箇所を読む」というルールにしているため、今回の話が原作第 35 章のどの辺りから取られたか、現時点ではわからないのです。原作最初の数頁を読むと、アンの新生活にフォーカスが当たっていて、アニメで描かれたマリラ、マシュー、レイチェルは出てきません。
 マリラは帰省するアンのために、鶏を焼いてやりました。たいへんなごちそうです。「マリラ、毎週それするつもり!?」と驚きました。また、アンはアンでマリラにスカーフのお土産を買ってくるのです。「アン、毎週それしてたら大変だよ!」と思っていたらマリラが釘をさしてくれたので安心しました。グリーン・ゲイブルズの三人は、現在生活をともにしていないことで、ますます互いに愛情が募っているようです。昔見たときは、その気持ちがマシュー、マリラの二人とアンとで非対称で、アンが外を向いているのが寂しいとばかり思っていたのですが、大人になって見るとアンも静かに考えていることがわかります。
 クィーン組は金曜日になると新しく敷設された鉄道の支線でカーモディまできて、そこから歩いてアボンリーまで帰ります。このとき、ルビーとギルが並んで歩くので、アンは私にも(ギルのような)友だちがいたらいいかも、と思うのでした。今のこと、将来のことを語り合えるギルのような友だちがいたらな、と思うのだけど、それはまあ、ギルのことであって、今、たった今、アンとギルの間で展開しているはずだった輝かしい友情がこぼれ落ちていっているのだなあと思いました。そんなアンにジェーンは「ルビーはギルバートの好みじゃない」と言ってやり、ギルバートはアン・シャーリーのような話し方をするとルビーが言っていたわと伝えるのでした。私はこのジェーンという人が好きです。原作のイメージ通りに描かれていると感じますが、原作より存在感があります。
 ところで、このシーンでダイアナが放った「ルビーったら、ご発展ね!」という言葉。見て半日近く経つ今もまだ味わっている最中でして、機会があったら声に出して言ってみたいものです。