午前三時にむくりと起きて、そしたら月が木の向こう側に見えた。そんなこんなの 10 月でした。
「ああ、マリラ。この世に十月というものがあって、ほんとに嬉しいわ。もし九月から、いきなり十一月になったら、とんでもないことだわ。このかえでの枝を見て。どきどきするほどきれいでしょう、もう、どきどきの連続でしょう? 部屋に飾ろうと思ってね」
マリラ最高。
それはさておきこの十月、夫が豪快に寝込みまして、わりとたいへんでした。
救急車を?
呼ぶのかな?
どうなのかな?
とかなり気がもめました。でもかかりつけ医の「なんだかわからない。風邪としか言いようがない。寝てるしかない」とのコメントの言う通りにしていたら、治りつつあります。自分の日記を読んでみたところ、去年もこの時期に彼は寝込んでいました。ですから、十月というのは、アン・シャーリーが言ったのとは別の意味で我々には、どうしても必要な月なようです。
私は夫が寝込んでいるあいだ、本人比でそうっと暮らしていました。そしたらあれよあれよという間に骨格筋率が落ちまして、「やばい」という感じになりました。夫が起き上がったら、それは元に戻りました。シンクロです。
ところで、町内会のようなものに毎月出ているのですが、そこでこんな話を聞きました。床屋で若い人に、「コロナ(COVID-19)なんて、ちょっときつい風邪みたいなもんすよね。こわがってもしょうがないっすよ〜」と言われたと。それでその人は、ご自分の年齢のこともあって、心配だから色々気をつけて暮らしていて、床屋も何カ月ぶりかで行ったのに、そこでそんなこと言われるとたまらないと感じるけれど、この溝は埋まらないよなあと思って黙っていた、と。
そんなこんなでみんなの疲労が、そして自分の疲労がたまっていくのを感じます。私たちは十月、じっと休んで、それでその間何かをどうにかできたわけでもないのですけれども、何が起こるかわからない今後に向けて、体調をととのえられてよかったのかなと思います。
🍁 10 月に見た映画 🎃
- 『青い塩』(アマプラ)
- 『炎の戦線 エル・アラメイン』(BSプレミアム)
🍁 10 月に見たポワロ 🎃
- 『スペイン櫃の秘密』
- 『盗まれたロイヤル・ルビー』
- 『先勝舞踏会事件』
- 『猟人荘の怪事件』
🍁 10 月に見たコロンボ 🎃
- 『祝砲の挽歌』
- 『歌声の消えた海』
- 『ビデオテープの証言』
- 『5 時 30 分の目撃者』
🍁 10 月に読んだ本 🎃
- アンソニー・ホロヴィッツ『その裁きは死』
- 『三島由紀夫怪異小品集 幻想小説とは何か』
- 都筑道夫『吸血鬼飼育法 完全版』
- 鈴木淳次『漢詩をつくる、漢詩を愉しむ』
- 海津一朗『蒙古襲来』
- 権赫泰、車承棋『〈戦後〉の誕生 戦後の日本と「朝鮮」の境界』
🍁 10 月、くるったように聞いた曲 🎃
Yo La Tengo - "Bleeding" (Official Audio)