渋谷に出かけました。
渋谷のスクランブル交差点はやはり、以前のようには混み合っていなかったです。平日とはいえ、混んでいるときの渋谷って、前に進むのがおっくうになるほどなんですよね。これが元にもどる日が来るのかなあと不思議な気持ちで歩きました。
ぼんやり、きょろきょろと歩きつつ、久しぶりに渋谷で映画を見ました。
今のところ三作公開されているシリーズものの真ん中をいきなり見るという暴挙に出ました。始まってすぐ「あ、苦手なやつだ」とわかり、最後まで真剣に見ていられるか不安になりました。アジア映画(というか、中国映画と日本映画)で、非アジア圏の街や人々が出てくると画面のテンションがゆるむということがたまにあって、これが昔から苦手なのです。型にはまった人物造形が続くだけでなく、それが極端なかたちでデフォルメされる演出が続くのでぼんやりしてしまうのです。異文化圏の人との間に差異をあらかじめ想定して、そこを思い切りデフォルメして笑いを誘うというやり方が、まあ苦手。でも、それなりにこれまで我慢して生きてきたのですが、ついに我慢できなくなりました。
ところが、これが、終盤になるとぺり……ぺり……と「型」がはがれそうになって「お、おもしろくなってきた?」という感じになり、ラストでは「次回作、おもしろそう」と思えたのがとても不思議なことでした。
これは次回作、おもしろいかもしれません。
この、表現としては三歩下がったところから始まったこの映画が、もしかたら次の映画では一歩先を行っているかもしれない。そういう期待があります。期待は裏切られるかもしれないが、期待を抱かせるだけでも十分です。今の悩みは、すでに公開の終わっているこれを一体、いつ、どこで、どのようにして見たらいいのかということです。
今日、渋谷に行ったのは、こちらの本を買うためでした。
写真集なんですけど、一般の書店で流通していなくて、私が買いにいける範囲では渋谷のタワーレコードしかなかったのです。それで、タワレコに取り置きをしてもらい、買いに行ってきました。
渋谷のタワーレコードに行ったのは久しぶりなことは確かにそうだったのですが、それにしても驚きました。売り場が七階まであって、私の思い出によれば、二階が日本のポップス、三階がロック、と上に行くに従ってマイナー度合いが上がり、最上階はクラシックかなんかだったような……サントラだったかな?
今日行きましたら、五階まではアイドル、j-pop、k-pop、アニメで埋まっていて、ロックその他は六、七階に追いやられていたのです。
いつも三階の辺りでうろちょろしていた私は「おや」と驚きました。
そっかあ、今 CD やレコードを買うのは、アイドル好きにアニメ好き、それともの好きなのですねえ。はあ、そっかあと思いつつ、シャロン・ヴァン・エッテンの "Remind me tomorrow" と笠原桃奈 "Dear sister" を買うことができました。
どっちも風が正面から吹いてくるようで、大満足です。
広いところに出ようとするときのはればれとした不安感を、形を変えながら何度も味わった一日でした。
🍁 おしまい 🍁