白いサルスベリは遠くから見ても迫力があります。
この道は、ほかの季節ならもっと涼しげなのですけど、
どこまでも太陽光が追いかけてくる日です。太陽光が、ほぼ、「矢」です。
そんな太陽ぎらぎらの日に、中央線ビールフェスティバルなるものが催されました。この辺一帯のビール醸造所が一堂に会して、クラフトビールをもりあげようという祭りです。
駅名と醸造所名が掲示されたテントをぐるりとめぐりながら、おいしいビールをいただいて、「なぜだろう、おなかいっぱいだ」という状況になりました。
ビールはおなかいっぱいになりますね。たぷんたぷんになったおなかを抱えて、近くのお寿司屋さんへ。私はお寿司がそれはもう大好きで、おなかいっぱいでも寿司なら食べたいし、何ならスーパーのお寿司でもいいくらい、「寿司だったらいつでも、何でもいい」のですけど、お店でおいしいお寿司をいただけたらそれほど幸せなことはありません。
夏バテしているところに直撃のおいしさでした。脳に直接の刺激があり、かなり機嫌がよくなりました。「うまうま」「おいしいおいしい」と呪文のような応酬で明け暮れ、その後はまっすぐ、おうちに帰りました。
話は変わりまして、こないだベランダに蝉が迷い込み、蝉ときたらひとしきり騒いだあと、ひっくりかえってひくひくしてたんです。私は「わーーーー!!!」と大騒ぎして部屋の中に駆け込んで窓を閉めて、「ここで死ぬな! がんばれ立ち上がれそして出ていけ!」と悪徳警官か選挙間近の市議会議員みたいな酷薄なことを叫び、ただただ怯えていたのです。夫がクイックルワイパーの柄でちょいちょいとつついたら蝉はくるっと起き上がり飛び去っていきました。
後から考えるに、あれほど怖がる必要が果たしてあったのか。不思議な気持ちがいたします。相手は GOKI ではなく、蝉なのです。蝉が私に何かするだろうか。いや、そんなこと言い出したら GOKI だって生きているだけなのだ。それはいいとして、蝉、ほんとに私はこわいのだろうか。間近で見たらまた「ひゃーーーーー!!」となるのだろうか。現状、蝉時雨を浴びており、あっちからもこっちからも蝉の声が聞こえてきて、「風物詩だのう」などと吞気な構えでいるのに。多少、耳鳴りと区別がつかず、体調が心配ですが。
蝉といえば今朝、四時前から蝉が騒ぎ出し、私は目が覚めてしまいました。「うるさいよ」という即物的な反応しか出ませんでした。詩情はどこへ行った?
何が言いたいかというと、せめて蝉に対する情緒を回復したい。「ああ、夏だな」と思うに留めたい。そして蝉の名誉の一助となりたいものです。
🎐 突然ですが、おしまい 🐚