みずからのあるじであるみなさま、おはようございます。
おめでとう🎉
ありがとう🎂
ざべすの城に、雨子の誕生日がやってきました。
交渉の結果、ざべすたちの誕生日もその日にすることになりました。ざべすたちは一日、「おめでとう!」「ありがとう!」と言い合いました。
この誕生日をどのように祝うかについて、雨子から提案がありました。それは「宅配ピザを取って、私の好きな DVD を見る」というものでした。これが満場一致で否決され、雨夫の提案で「みんなでフレンチ」ということになりました。
わーい。
お店に入ると「ざべす辺境伯領のみなさま」という席が用意されていました。
このお皿の上にやってきたのはごぼうのスープです。
おいしいね、おいしいねと言いながらみんな、あっという間にいただきました。そこに運ばれてきたのがサーモンとマスカットのサラダです。
おいしいね、きれいだねとこれまたぺろりと平らげると、次は雨子の大好きなべろべろしたもののお皿でした。
白子とおっきなマッシュルーム、ほうれんそう。雨子の好きなものばかりです。雨子は瞳孔が開いていました。ざべすはすこし心配になったけれど、おいしいのでだいじょうぶだと思いました。とろりとしていてねえ。
そしていよいよ、お待ちかねのおさかなのおさら。紅葉鯛(もみじだい)です。
春は桜鯛、秋は紅葉鯛と呼ばれるこのお魚、真鯛だそうです。ふわふわとしていて、ざべすはどんぶり一杯食べたいと思いました。
お魚とえびがお店の方の予測をこえてあっというまにざべすたちのおなかに収められると、次のお皿に合わせた飲み物が運ばれてきました。最後のお皿への期待が高まりました。
白子は、雨子のために。
お肉は、ざべすのために。
ざべすはひとくちでぺろりと食べてしまいそうなところをこらえ、じっくりじっくり、きこきことナイフとフォークを動かしながら、ちょっとずついただきました。目を閉じると、視覚情報が遮断されるので、ますますお口のなかにひろがるうまみに集中することができました。
おいしかったあ。
おかわり!!
おかわりはなく、かわりにデザートが運ばれてきました。
このとき雨子は「コーヒーがこない」と泣き言を言いました。コーヒー成分が切れてしまったようで、「今すぐいただきたい気持ち」と言いながらデザートのお皿をぺろりと平らげるとなんとそこにもう一枚お皿がやってくるではありませんか!
ざべす感激。
みんな感激です。
おめでとう、おめでとう。
ありがとう、ありがとう。
お店を出るとき、アカデミー賞会場のようにみなさんが手をふってくれました。
ごちそうさまでした。お世話になりました。また来るからね。と、ざべすも手をふってお店をあとにしました。
おいしかったあ。
それにおもしろかったあ。
この後は公園に行って秋景色を楽しみました。
秋の井の頭公園は大道芸の人とそれを見る人、何かを売っている人とそれを買う人、お散歩する人でいっぱいでした。歩いているといろんな人の声が聞こえました。この中にあとどれくらい、今日が誕生日の人がいるかしらとざべすは思いました。ざべす、今日、誕生日なの! と大きな声で言いたかったです。
今日がお誕生日のみなさま、おめでとうございます。
毎日どなたかの誕生日なのですねえ。
おめでとうございます。
また来週!
🎂 ちぇりおですわ 🎁