プール雨

幽霊について

ある日

 TABLE FOR TWO によるおにぎりアクション 2024 が始まりました。

onigiri-action.com

 おにぎり写真を上のサイトに投稿するか、#OnigiriAction のタグをつけて SNS に投稿すると、一投稿につき給食五食が、飢餓や栄養失調の問題を抱える地域の子どもたちに届きます。おにぎりアクション、今回で 10 回目なのかな? ぱちぱち。

おにぎりを食べたときは投稿してみています

 そんななか、『犯罪都市 PUNISHMENT』を見てきました。

わーい

 よく見るとあれはマ・ドンソクのサインでしょうか。一字目がマのように見えます。

 この映画館は一時期、ロビーが非常に殺風景になり、座るところもなく、今から映画を見るぞという気持ちがしおしおになるという問題がありました。それが久しぶりに来てみたら、ロビーにテーブルができており、椅子に座って開場前の時間を過ごせるようになっていました。昔、「東京で一番まずいコーヒーを出す空間」などと悪口雑言を浴びせてしまったことを謝罪します。自らの野蛮さを反省せずにはいられません。落ち着いて、テーブルでコーヒーをいただいてみましょう。

どうかな?

 うん、不安になるまずさ! もう一杯!

 ドリンクバー方式なので、まずいコーヒーをもう一杯、いただきました。二杯目はカフェラテです。そちらも完全にまずかったです。不安になるテクスチャーでした。

 でも、いいんです。これでも。

 映画、楽しすぎますから。

 そもそも映画というものは、楽しすぎるもの。きれいな映像、きれいな音、いい椅子、清浄な空気。コーヒーくらいまずい方がいいのです。

 まずいコーヒーを飲みながら見る『犯罪都市 PUNISHMENT』は乙なものでした。あばれんぼう刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)がフィリピンに拠点を置く国際 IT 犯罪組織に立ち向かい、一網打尽にするお話です。すごうでエンジニアを拉致して働かせて、オンラインカジノと麻薬のデリバリーで大もうけしているのですけど、麻薬はともかく、オンラインカジノの方はエンジニアの人をもうすこし大事にして、快適な労働環境を構築した方がより儲かる結果になるのではないでしょうか、そうすればあのときあの人がああなることもなかったのであり、マ・ソクトが被害者のご遺族に犯人逮捕を誓うこともなかったわけですから。

 それはともかく、心配になったのは、マ・ソクトがほんとうに強いので、物語上生じる葛藤がその強さ方面に焦点が当たってしまうとまずいことになるのではないかということです。相手も果てしなく強くなっていったり、マ・ソクトが弱みを握られて痛い目に遭ったり、そんな展開は誰も望んでいませんのでぜひとも避けていただきたい。今回はばっちり避けていました。ソクト強い。ソクトと相対したら悪者はもうおしまい。ソクト自身がターゲットになったり、人質を取られたりする展開など、望んでいる人は全世界を探しても一人もいないと確信がもてます。絶対にマ・ソクトを泣かせないでください。よろしくお願いします。

 この映画を見たのと同じ日に、田中一村展も行ってきました。パワーはこちらもマ・ドンソククラスでした。

この場所がたいへんに好きです

 一村は幼い頃より南画に優れ、十代ですでに充実した技術をもっていました。最初の一枚目から「8 歳 !?」と驚きました。絵の技術はぐいぐい、のびのびと洗練されていき、15 歳くらいでもはやとんでもない絵を描いています。見ていると「うわー」「うわー」「おー」「なんとー」と、感嘆詞の連続。奄美時代の充実の画業はもちろんのこと、それより前、千葉時代のスタイルもよかったです。いつ何時、どの一枚を見ても一村は美しく新鮮で、才気走っていました。

はー

 だからちょっと、疲れました。

へとへと

お買い物しちゃおうかしら

 疲れたので、飲むしかありませんでした。

一杯だけ

オムライスで一杯

 嘘です。二杯飲みました。久しぶりに食べたオムライス、おいしかったです。

 そして心地よい疲労につつまれて寝て、熟睡して、起きると、目の前に菓子パンがありました。

かわいい

 兵庫県加古川市に本社をおくニシカワ食品のかわいいパン。かわいいからという理由で何でも買っていたら大変なことになりますが、あらがえませんでした。

 そんな、うすらぼんやりとした頭でドラマ『リドリー』を見ました。

たいへんなことになっております

 この検視官の人がつかっている作業机がすてきだと思う。でも特定の用途にしか使えない感じですね。文庫本も入らないサイズですもの。

 この『リドリー』というドラマがそれほどおもしろくなくて、私はなんとなく寂しかった。それはやっちゃいけないんじゃないかな……というラストだった。しょんぼり。

 そこへ舞い降りた天使が、岩明均ヒストリエ』です。『ヒストリエ』、夫が職場で人に貸してしまい、それが何年ももどってこなかったのです。私たちは祈りました。「返してください」と。返してください、お願いします……!

 その『ヒストリエ』が帰還しました。

 だから考えるより先に、読みました。ちょろっと。一巻だけ。そのつもりが、読み出すと止まらず、ああ、私は『ヒストリエ』さえ続いてくれたら、それほどぐずぐずとは文句を言わない、だまって『ヒストリエ』を読み続けます……と思いました。

 それほどおもしろいです。

よみふけるぽーちゃん

読んで、考え事をするぽーちゃん

 マケドニアアレクサンドロス大王に書記官として仕えたエウメネスの物語です。これ、最初からみっしりおもしろいので、どなたさまにもおすすめです。「どなたさまにも」と勢いで書いてしまいましたが、戦争あり、奴隷貿易ありと、なかなかにハードですので、そういうのが苦手な人は……和山まや『女の園の星』をおすすめします。最新 4 巻が出たばかりで、入りやすい状況だと思います。こちらは女子校で働く星先生のお話で、それ以上説明することもないようなあれですので。

 今、私、『女の園の星』4 巻待ちなんです……。

待っています

 今日は雨が降っています。

しとしと

☔︎ おわり ☔︎