プール雨

幽霊について

料理本と私

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 料理は毎日するのに対して、料理の本を見るのはそれほど頻繁ではありません。

 でも、料理の本を見ること自体は好きです。発想がかわるからです。全然何も参照せず、目の前にある材料から勘でつくるということを繰り返していると、延々醤油&みりん味かニンニク&オリーブ油味が続いてしまい、「自分で自分の料理に飽きる」という状態が訪れます。

 そんなときに私がまず参照するのは長尾智子さんの本です。

 長尾智子さんの料理は、干物、麩、のり、黒豆、かぼちゃ、パン粉……等々、ごくごく日常的な素材をもちいて、私の発想にはないめずらしいお皿ができあがるのが魅力です。生麩の素揚げ白味噌ソースとか、切り干し大根と豚肉スープ煮とか、のり鍋とか。「そういうのもあるのか!」という新鮮さがありつつ、あまり複雑な工程がなく、つくりやすいのです。それで更に嬉しいのは、数カ月読まずにいると、ころっと忘れることができることです。多分、どこかが「プロの料理」「プロの発想」なのだと思います。文法自体が違う、といったらいいでしょうか。

 麹は、本を読まないと塩梅がわからないため、いちいち読みます。大人になってから接するようになったものに対してはいつまで経ってもお客さん気分です。

 塩麹漬けはゆでたまご、豆腐が気に入っていて、たまにやります。醤油麹は冷や奴にいいかな。基本的に自分の頭だけでつくるとそれだけになってしまうので、たまに本を参照して、スルメを漬けたり、水でもどした麹と酢や醤油、薬味をまぜたりしています。

 麹はまあ、何でもおいしく、柔らかくなりますよね。子どものとき、鰊と蕪やニンジンなどの野菜を麹で漬けたものがたまに食卓に出ていてのですが、なんで食べなかったのかなあ、と今になって思い出します。あけびの皮を漬けたのなんかもあって、今だったらぱくぱく食べるのに、子どものときは喉を通りませんでした。多分、子どもにとっては香りが強かったのですよね。魚と野菜と麹をまぜて発酵させているわけだから。

 ほかに、台湾料理、カレー、海藻料理などもいちいちレシピを確認します。

 どれも自分にしっかりなじんでいないジャンルです。カレー、大好きで、毎日食べてもいいくらいなんですけど、自分のつくるカレーはいまだに「これ」という感じのところに至りません。理想のカレーは近所のインドカレーのお店で食べられる、赤いポークカレーです。作り方がまったく想像できない。

 台湾料理も好きです。しかし、ほんとに好きっていえるほど台湾料理を食べているかと言われると、単に映画で見て、「おいしそうだなあ」という気持ちが積み重なっているだけという気もします。豆乳スープと揚げパンの朝ごはんとか食べてみたいけど、どんな味なんだろ。

 この『うちで食べる台湾式ごはん』は日本で手に入りやすい材料を使った料理が並んでいて、挑戦しやすいです。

 海藻の本はたまにわかめやひじきをもらうので、買いました。新鮮なわかめは軽くゆがいてい味ぽんで食べるだけでもごちそうなのですねえ。

 今日はお休みで、雨降りだったので一日のんびりと料理していました。大根を焼酎とみりんと塩で煮たり、生のニンジンを花椒オイルと塩で和えたり、スルメを四枚ほそく切って麹につけたり、単純でおいしいのばかり。

 料理は基本的に好きなんですけど、何をつくろうかな、なにか変わったものをつくりたいなと考えているときが一番楽しいです。

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お食事中のとりさん

🍕 おしまい 🍥