プール雨

幽霊について

2022 年の今、『マイティ・ソー』("Thor" 2011)を見て無軌道にコメント

〜ひとり実況〜

  • わずか 10 年ほど前の映画ですが、若手研究者の描き方に「一昔前の感じ」が残っています。
  • ムジョルニア、発音できるとは思えない。
  • ファザコンでブラコンのロキ、いきなり見せ場。気の毒になってしまう。
  • ソー、地球で学び直し。
  • シールド、ジェーンの研究を横取り。サイテー。むかつく。
  • iPod の話はやめて。ジェーンがダウンロードしたのは 30 曲。一曲一曲ダウンロードした日のことがもはや懐かしいとは、びっくりだ。
  • 王を僭称するロキ。まったく威厳なし。王制は王が阿呆だと一巻の終わりだからダメなのだとワンカットで伝える説得力。
  • ヨトゥンヘイム、発音できるとは思えない。
  • 『ベイビー・ブローカー』でソン・ガンホが車を運転中話しかけられると、ばっちり相手を見るのがたいへん怖かったなあとジェーンの運転を見て思い出す。ジェーン、ソーを二回車で轢いた人類。
  • ソーの悲しみがジェーンに伝わる。
  • 魔術と科学の話。ジェーンの主張をダーシーが補佐。いいシーン。
  • 尋問される神。尋問されましても、ソーにも事情がわかりません。そしてロキの王位獲得宣言。みじんも疑わないソー。
  • ソー、間違いを認める。「次は正しい問いを立てろ。自分がどこにいるかわからないと自覚したとき道探しが始まる」とのアドバイスに「ありがとう」と率直に答える。
  • ボイラーメーカー。ビールにウィスキー。野蛮そうな飲み物だ。
  • ふつうに玄関からやってくる神々。こことってもすてきだった。「迎えに来た」と。もっともである。
  • ロキ、これほどの力がありながらずっとびびってる。
  • ソー、間違いを認めて謝る。
  • ジェーンにその顔されるとこっちが泣いちゃうんだよーーー!!
  • 王は真実以外口にしない。
  • 王は真実以外口にしない。二回目。
  • 王は真実以外口にしない。三回目。
  • すてきなラスト。ジェーンの笑顔と仮想の橋。
  • この規模の映画としては短いエンドロール。
  • しかし、「エンドロールで音楽が五曲かかる」「エンドロールの途中で音楽が切れる(映像の尺と音楽の尺が合わないため)」といった野蛮なエンドロールをちょくちょく見ている私の感覚ですので、情報としては意味をなさないことにご注意ください。

〜まとめ〜

  • ソーのシリーズ第一作で、「マーベル・シネマティック・ユニバース」の第四作。『エンド・ゲーム』にたどりついた後で見ると、冒頭のジェーンの振るまいに、女性研究者を邪魔者扱いしてきた映画界特有の古くささがかすかに残っていると感じるものの、それが 15 分で消える。
  • ソーの登場シーンはおもしろかったけど、北欧神話に神として描かれている人が現代のニューメキシコにやってきたという違和感に関しては控えめで、その点では『アイスマン』の方が上。
  • 友人には優しいが、視野がせまく周囲 3 メールくらいのことしか考えられない阿呆王子だったソーがものの見事に人格を鍛え上げる数日間。失望、悲しみ、愛、事実などを真っ向から受けとめあっという間に成長する。その速度に説得力があるのがおもしろかった。
  • ロキのおどおどした目が憐れを誘う。かわいそうなロキ。めちゃくちゃ強いのに弱い。こういう、「敵地からやってきた(収奪された、誘拐された)王子」の話形ってあるんだろうなあ。

 第一作ということもあって、これだけ単独で見られるようにぴしっと終わっているのが今となっては新鮮でした。もう慣れちゃったけど、映画館で二時間暗闇に座って、最後、「おわってない……」というのは最初はショックでした。慣れちゃっていいのかな? と頭の隅ではずっと思っています。

 

🎦 おしまい 🌍