朝、目が覚めたら今日は日曜日。
毎日そんなだったらいいなと思います。
ざべすはお勤めというものがないので実質、毎日日曜日なのですが、雨夫は朝になると「外貨を稼いでくるよ。うちは輸出できるものがないからね」と呪文を唱えて出て行ってしまいます。雨子も「じゃ、私もちまちまと外貨を稼ぐね」と言って勉強部屋にこもってしまいます。
ざべすは、みんながお休みの日が待ち遠しいです。
こないだ、そんな一日がありました。
そして雨夫が「今日は、ジブリ美術館に行こう」と言い出しました。
ざべすたちは「うわあい」と言って、いそいそ、いそいそと三鷹に向かいました。
この応接室で相談したらどんな複雑なことも、さらさらと、さらと解決しそうです。
こちらは長女のお部屋だったそうです。このフランス窓から出たり入ったりしたのでしょうね。
窓が全部すてきです。
このおうちを見ながら、雨夫が「ざべすにはこんな建物が似合うねえ」と言いました。
この山本さんちから少し歩いたところにジブリ美術館はあります。
ちょうど、幼稚園のみなさんが遠足でいらしており、みなさんの声や気配がひびいて、ほんとにジブリの映画のなかにいるみたいでした。それに、お客さんの半分くらいは外国からおみえの方で、いろんな言葉があちらこちらから聞こえました。それもまた、映画の中の世界みたいでしたけど、きっとみなさんもそう思っておられることと思います。
中にシアターがあって、この日は「毛虫のボロ」の回でした。
ちっさな毛虫が卵からかえって、よいしょよいしょと植物の幹を上ったり、そこで自分より大きなたくさんの毛虫たちを見たり、お食事したり排泄したり、うっかりこどもの服にくっついちゃったり、そんな大冒険を映した映画です。
すっごくおもしろかったあ。
ざべすんちには「くまちゃん」という小さなくまちゃんがいます。
くまちゃんはとっても小さいので、時折、迷子になります。そんなとき、みんなであらんかぎりの声をあげて、「くまちゃーーーーーーん!!」と叫びます。実は大抵くまちゃんはすぐそばにいて、「くまちゃん、ここにいるよ」と言っているのですけど、くまちゃんは声も小さいのでなかなか聞こえないのです。
毛虫のボロの視界は、このくまちゃんの視界に近いそうです。
それを聞いて、そうかあ、くまちゃんには、あんなふうにみーんな、おっきく見えているんだなあ、じゃあ、もっともっとそうっと接しなくてはいけないと思いました。
展示は常設展と特設展二種類あって、先に特設展の、『君達はどう生きるか』イメージボード展を見ました。完成したアニメとも全然違う、それ自体今にも動き出しそうなエンピツの線と水彩のタッチ、描きながらどんどん決まっていくさまが見られて、楽しかったです。七人のおばあちゃんが、最初は名前が決まっていないのがだんだん決まっていって、性格や、人間関係なども見えてくるのが特におもしろかったです。おじいちゃんで、ずっと寝てるおじいちゃんに「ずっと寝てるだけ」と書き添えてあったのも、ざべすはそういうの、いいなあと思いました。ずっと寝てるだけでも、いてくれたらいいです。
常設展は物語が、映画が生まれる現場を見せてくれるもので、ざべすはここが大好きです。たくさんの本、アンティーク、絵画、すてきなものがたーくさん! 壁の絵もみんなみんな、大好きです。
ああいうのを見ると、雨子が全然紙や箱や缶を捨てないのも仕方ないかなあと思われてきます。
帰る前に、カフェでケーキとコーヒーをいただきました。そしたらまた、まわりを幼稚園児の子たちに囲まれて、うわあ、絵本の中に入り込んだみたいだ! って思いました。
物語の世界をうねうねと歩いて、楽しんで、じゃあこれからランチになにかすてきなものを? と期待していたら、なぜか伊勢屋という焼き鳥屋さんが昼から開店しており、ざべすたちは無批判に吸い込まれました。
おいしかったあ。
焼き鳥っておいしいね。
ざべすのお散歩コース・豪華版でした。
みなさんは今日、おやすみですか? 今日はお休みじゃないという方も、きっと近いうちにお休みとってくださいね。
また来週会いましょう。
🐛 ちぇりおですわ ฅʕ·ᴥ·ʔฅ